일본어 읽기 연습

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あひるとさる

寺田寅彦随筆集 第五巻

寺田 寅彦

寺田 寅彦의 寺田寅彦随筆集 第五巻(あひるとさる)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 194,515자 · 389화면

아오조라 문고

道路に沿うて頭の上を電線が走っている。それにたくさんのとんぼが止まっているが、それがみんなだいたい東を向いている。ステッキのとんぼが最初に止まったのと同じ向きである。

夕日がもう低く傾いていて、とんぼはみんなそれに尻を向けているのであった。当時ほとんど無風で、少なくも人間に感じるような空気の微動はなかったので、ことによるととんぼはあの大きな目玉を夕日に照りつけられるのがいやで反対のほうに向いているのではないかとも思われた。

試みに近い範囲の電線に止まっている三十五匹のとんぼの体軸と電線とのはさむ角度を一つ一つ目測して読み取りながら娘に筆記させた。その結果を図示してみるとそれらの角度の統計的分布は明瞭に典型的な誤差曲線を示している。三十五匹のうち九匹はだいたい東西に走る電線に対してその尻を南へ十度ひねって止まっている。この最大頻度の方向から左右へ各三十度の範囲内にあるものが十九匹である。つまり三十五のうちの二十八だけ、すなわち八十プロセントだけは、三十度以内まで一定の方向にねらいをつける能力をもっていたといわれる。

残りの二十プロセントすなわち七匹のうちで三匹だけは途方もなく見当をちがえて、最大頻度方向からそれぞれ百三十度と百四十度と百六十度というむしろ反対の方向をむいていた。