후리가나로 읽는 일본 고전
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あひるとさる
寺田寅彦随筆集 第五巻
寺田 寅彦
寺田 寅彦의 寺田寅彦随筆集 第五巻(あひるとさる)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 194,515자 · 389화면
反対の例を取ってみるほうがよくわかる。私の知人の実業家で年じゅう忙しい人がある。この人にある時私は眼前の若葉の美しさについての話をしたら、その人は、なるほど今は若葉時かと言ってはじめて気がついたように庭上を見渡した。忙しい忙しいで時候が今どんなだかそんなことを考えたりする余裕はないということであった。こういう人ばかりであったら農業は成立しない。
津々浦々に海の幸をすなどる漁民や港から港を追う水夫船頭らもまた季節ことに日々の天候に対して敏感な観察者であり予報者でもある。彼らの中の古老は気象学者のまだ知らない空の色、風の息、雲のたたずまい、波のうねりの機微なる兆候に対して尖鋭な直観的洞察力をもっている。長い間の命がけの勉強で得た超科学的の科学知識によるのである。それによって彼らは海の恩恵を受けつつ海の禍を避けることを学んでいるであろう。それで、生活に追われる漁民自身は自覚的には海の自然を解説することはしないとしても、彼らを通して海の自然が国民の大多数の自然観の中に浸潤しつつ日本人固有の海洋観を作り上げたものであろう。そうしてさらにまた山幸彦・海幸彦の神話で象徴されているような海陸生活の接触混合が大八州国の住民の対自然観を多彩にし豊富にしたことは疑いもないことである。