후리가나로 읽는 일본 고전
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ろうじゅうのめがね
小笠原壱岐守
佐々木 味津三
佐々木 味津三의 小笠原壱岐守(ろうじゅうのめがね)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 57,249자 · 115화면
「言うたか。今にそう言うであろうと待っていたのじゃ。ならば迷いの夢を醒ましてやるために嗅がしてやるものがある。吃驚するなよ」
まさしくそれは声の上に出さぬ凄艶な笑いだった。深く心に期して待ちうけてでもいたかのように突然門七がにっと笑うと、千之介の鼻先に突き出したものはその左片袖である。
「嗅いでみい! 想い想われて契った恋女房ですらも、やはり女は魔物じゃと言う匂いがこの袖にしみついている筈じゃ。よう嗅いでみい!」
「……?」
「のう! どうじゃ! 合点がいったか!」
「よっ。まさしくこの匂いは!――」
「そうよ! お身が恋女房と自慢したあの女の髪の油の匂いじゃわ。ウフフ。迷いの夢がさめたか」
「ど、どう、どうしたのじゃ! この匂いがおぬしの袖についているとは、何としたのじゃ! ど、どうどうしたと言うのじゃ」
「どうでもない。忘れもせぬ夕暮どきじゃ。殿より火急のお召しがあったゆえ、おぬしを誘いに参ったところ、どこへいっていたのかるすなのじゃ。それゆえすぐに引返そうと出て参ったところ、もしあのお袖が、――と恥しそうに呼びとめたゆえ、ひょいと見るとなる程綻びておったのじゃ。