후리가나로 읽는 일본 고전
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しょうせつ えんちょう
小説 圓朝
正岡 容
正岡 容의 小説 圓朝(しょうせつ えんちょう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 163,270자 · 325화면
緊張していたから次郎吉は暑さも物皮の意気込みだったが、うつむいて台所の脇の小部屋で絵の具を溶いていると、さすがにあとからあとから落ちてくる大汗でたちまち絵の具皿の中がダブダブになってしまった。これには困らないわけにはゆかなかった。
ウーム、ひどい。
何べんか拳固で額を横撫でにこすり上げては溜息を吐いた。こんな暑さじゃ寄席もお客がこなかろうし、第一、汗ッかきの阿父さんさぞ困ってるだろうなと、珍しくそうしたことをふとおもった。
「次郎、かかるぜもう」
そのとき仕事場のほうで芳年の甲高い声が聞こえた。
「持ってきておくれな絵の具を」
つづいて芳幾の声だった。
「へーイ」
いま溶いていた絵の具皿の、まず胡粉のからグイと両手で差し上げて立ち上がろうとしたとき次郎吉は、急に目の中へ白い矢が突き刺さったようなものを感じた。クラクラと足がよろめいた。
皿の胡粉が漣打ってきた。
ア、いけない。
おどろいて足を踏みしめようとしたとたん、今度は目の前が真っ暗になり、何ともいえないきな臭いようないやあな匂いが鼻先を掠めた。ひどい吐き気を感じてきた。
いけない、ウー、いけない。