후리가나로 읽는 일본 고전
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びょうぶはたたまれた
屏風はたたまれた
山本 周五郎
山本 周五郎의 屏風はたたまれた(びょうぶはたたまれた)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 11,953자 · 24화면
弥十郎は断わった。半年延期と聞いたときに、自分は結婚する気がなくなった、と云った。もともと気がすすまなかったのを、両親にせがまれて承知したのだし、向うの都合だけで延期されたりいそがれたりするのは勝手すぎる。自分はもう結婚する意志はない、と弥十郎ははっきり拒絶した。千夜から必ずたよりがあると思ったし、嫁にもらうなら千夜だときめていたからである。そのときは父も母もなにも云わず、父の伊与二郎は「ばかにいきりたつではないか」と苦笑しただけであった。
だが「ゆき」からも、千夜からさえも、たよりのないままに日が経ち、その年が明けた。千夜にこがれる想いは、日が経ってもなかなか去らず、むしろ、時間の経過につれて、記憶のなまなましさが誇張されるようであった。ほのかな雪洞の光りだけしかないので、立てまわされた屏風の中はやわらかにおぼろだった。千夜のおもざしもおぼろげであるし、肌の香も、その触感も、あたたかみも、そうしてふるえおののく喘ぎや、絶えいりそうな囁きや、忍び泣く声までも、すべてほの暗いおぼろに包まれていた。それがそのままで、このうえもなく鮮やかに、こまごまと感覚によみがえってくる。