후리가나로 읽는 일본 고전
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やまとむら
山と村
木暮 理太郎
木暮 理太郎의 山と村(やまとむら)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 4,705자 · 10화면
殊に荒山から少しの弛みもなく左に曳いた長い長い裾野の線の美事さ、斯くまで人を魅する直線を見たことがない。一里の先から望見される鎮守の神木大杉は、赤城の本社から若木を移し植えたものであると伝えられている。裾野を点綴する黒い森蔭は、こうした神木を中心に不毛を拓いて、幾世かを安住している村落の所在を示すもので、淡紫に棚曳く炊煙の下に、土蔵などの白壁が朝日夕日に映えて見えるのも、外目には心を惹かれる長閑さである。
村の老人達は、朝早く顔を洗うと東に向って黙祷を捧げ、拍手を打って手拭を肩に、前の畑を一廻りして、赤城山を仰ぎ見るのが例であった、其日の天気を卜する為である。この習慣は四季を通じて変らなかった。殊に初夏から秋末にかけては、天候が激変し易く、農事は忙しいので、痛切に其必要を感じたらしい。冬は天候も定まり快晴の日が続くので、山に初雪の来る頃までは、濃い青空を背に、いつも劃然と全容を露わして、赤味を帯びた地膚の色が日の出から日の入まで絶えず変化する外には、村人の心に懸る一片の浮雲もない。しかし其間にも山の狼が里に下ったという噂が風の便りに伝えられて、村人を驚かすことはあった。