후리가나로 읽는 일본 고전
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さんきょうしんしゅん
山峡新春
宮本 百合子
宮本 百合子의 山峡新春(さんきょうしんしゅん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 1,321자 · 3화면
なるほど天城街道は歩くによい道だ。右は冬枯れの喬木に埋った深い谷。小さい告知板がところどころに建っていて、第×林区、広田兵治など書いてある。その、炭焼きか山番かであろう男が一人いる処は、向う山か、遙かな天城山の奥か。
或る角で振返ったら、いつか背後に眺望が展け、連山の彼方に富士が見えた。頂の雪は白皚々、それ故晴れた空は一きわ碧く濃やかに眺められ、爽やかに冷たい正月の風は悉くそこから流れて来るように思えた。
道傍の枯芝堤に、赤や桃色の毛糸頸巻をした娘が三人、眩しそうに並んで日向ぼっこをしていた。
女役者の一座がかかった。
小屋は空地にある。××嬢へとした幟がはためいていた。やはり人気ないそこの白い街道を歩いていたら、すぐ前の木賃宿の二階で義太夫のさわりが聞えた。ガラリと土間の障子が開いて、古びた水色ヴェールを喉に巻きつけた女が大きな皿を袖口に引こめた手で抱えて半身を現した。
「五十銭だよ」
生欠伸をする声が内部でした。
「あああ」
そのような女役者が夜になると山中鹿之助を演じた。
「いらっしゃーい! お二人さんお二階」
チョンチョンと下足札を鳴らすが、小屋は満員で、騒然としていて、顔役は、まがい猟虎の襟付外套で股火をし、南京豆の殼が処嫌わず散らかっているだけだ。