후리가나로 읽는 일본 고전
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ばけものばなし
岸田劉生随筆集
岸田 劉生
岸田 劉生의 岸田劉生随筆集(ばけものばなし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 15,344자 · 30화면
徳川中期以前はつまり、その画法なり画的興味なりが、むしろ妖怪を生むのに適切であったと思える。
さて、前おきが長くなったがところで幽霊には足のない方がより実感的であるという訳は解ったはずである。それなら何故幽霊に足がないか。
この事を話す前に、私は私の見た幽霊の事を話そう。それは無論、半分夢のさめかけた時にみた幻覚だが、八、九年前私は夜中、ふと、自分のねている蒲団の裾の方に、髪をおどろにふりみだした女が、手を以て顔を掩うているのを見た。驚いて、ひとみをこらす中意識がはっきりして来たらそれは夢の一種のつづきで、襖をもれる隣室の電気の光を、夢でみていたものとむすびつけてそうみていたものという事が解った。
そしてその時私は、なるほど、幽霊には足がないなと思った。何故なら私のみたそれは、頭と手と胸の辺だけであとはボーッとしていたからである。
この事が幽霊が主観的のものだという事の一つの証拠にもなるのだが。人は誰でもその知人の事を考え、その知人を思い出す時胸から上を考えるのが当然で、その人の足を考える人はめったにない。特に足に異常のある人とか、ともかく足という事に特異の注意のないかぎり、人はその人の胸から上を思う。