후리가나로 읽는 일본 고전
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あるおんなのしょうがい
嵐・ある女の生涯
島崎 藤村
島崎 藤村의 嵐・ある女の生涯(あるおんなのしょうがい)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 47,846자 · 96화면
この新七や広瀬さんに案内されて、やがてお三輪も食堂の方へ行って見た。窓が二つあって、一方は公園の通路に添い、一方は深い木の葉に掩われている。その窓際には一段と高い床が造りつけてあって、そこに支那風の毛氈なぞも敷きつめてある。部屋の装飾はすべて広瀬さんの好みらしく、せいぜい五組か六組ほどの客しか迎えられない狭い食堂ではあるが、食卓の置き方からして気持好く出来ていた。
「どうです、この食堂は」と新七は母に言った。「外からの見つきは、あまり好くもありませんが、内部へ入って見ると違いましょう」
「まあ、俄普請としては、こんなものです」と広瀬さんも食堂の内を歩き廻りながら、「お母さんも御承知の通り、今は寄席も焼け、芝居も焼けでしょう。娯楽という娯楽の機関は何もない時です。食物より外に誰も楽みがない。そこでこんな食堂の仕事ならば、まあ成り立つというものです。われわれの方から言いましても、こうしてお互いに焼出されてしまって、何か食う道を考えなけりゃなりません。この仕事なら、皆のものが食って行かれる――」
「食って行かれるは好かった」と新七も笑い出した。
静かな光線が射して来ている窓際を選んで、お三輪はある食卓の側に腰掛けた。