후리가나로 읽는 일본 고전
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じゅんさじしょく
巡査辞職
夢野 久作
夢野 久作의 巡査辞職(じゅんさじしょく)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 31,907자 · 63화면
しかし、それでも、その丘の上一帯の森の木立は、流石に昔の大きな深良屋敷の構えの面影を止めていた。夜になるとさながらに巨大な城砦か、神秘的な島影のように真黒々と星空に浮出して、昔ながらに貧弱な村の風景を威儼していたので、小さな住居に不似合な深良屋敷の名称も、自然、昔のまんまに残っているのであった。
その深良屋敷の老夫婦の間にはマユミという娘がタッタ一人あった。しかも、それが非常な美人だったので「深良小町」の名が近郷近在に鳴り響いているのであったが、可哀相な事にそのマユミは学問上で早発性痴呆という半分生れ付みたような薄白痴であった。大まかな百姓仕事や、飯爨や、副食物の世話ぐらいは、どうにかこうにか人間並に出来るには出来たが、その外の読み書き算盤はもとより、縫針なんか一つも出来なかった。妙齢になっても畑の仕事の隙さえあれば、蝶々を追っかけたり、草花を摘んだりしてニコニコしている有様なので、世話の焼ける事、一通りでなかったが、それを母親のオナリ婆さんが、眼の中に入れても痛くない位可愛がって、振袖を着せたり、洟汁をんでやったりしているのであった。
しかし何をいうにも、そんな状態なので、誰一人婿に来る者が無いのには両親とも弱り切っていた。