후리가나로 읽는 일본 고전
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こうせつきょうほうずえ
巷説享保図絵・つづれ烏羽玉
林 不忘
林 不忘의 巷説享保図絵・つづれ烏羽玉(こうせつきょうほうずえ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 365,120자 · 728화면
しんみりと太陽のにおいがする。今日も、冬らしくない日なのだ。
縁ばたに、杉の手水だらいと、房楊子と塩が出ていた。お高が置いて行ったのだろう。惣七は、ふうっと腹中にたまっていた夜気を吹き出して、かわりに、思い切り日光を吸い込んだ。それにしても、眼の不自由な自分が、いま朝の水を使おうとしているのに、お高が出て来ないというほうはない。惣七は、手を鳴らした。耳を傾けて、反響を待った。どこからも、何のこたえもない。お高は、いないらしいのだ。
若松屋惣七は、舌打ちをした。そこらをなでるようにして、顔を洗った。口をゆすいだ。手さぐりで、廊下を進んだ。彼は、自家のなかでもこうなのだ。年とってからの眼の故障なので、感がわるいのである。
若松屋惣七は、毎朝、洗顔がすむとすぐ、彼の帳場である奥の茶室へ引っこんで、一日出て来ないのだ。食事もそこでするのだ。で、壁に手をはわせて、若松屋惣七は、そろりそろりと足を運んだ。
あかるい光線が、茶室にあふれていた。それは、四角い桃色となって、若松屋惣七の網膜を打った。そのなかで、ほっそりした人影が、ゆらりとなびいた。何者か、自分の留守に、この帳場へ来ているのだろうと、彼は思った。