후리가나로 읽는 일본 고전
ja-reading.com
후리가나가 있는 일본 고전을 온라인으로 읽으세요. JLPT 수준으로 골라 보고, 단어를 눌러 뜻을 확인하고, 문장을 번역하세요.
おびひろまで
帯広まで
林 芙美子
林 芙美子의 帯広まで(おびひろまで)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 13,656자 · 28화면
歪んだ雨戸の隙間から、時々雷光が射し込むと、軈て地の底を搖すぶるようにして雷鳴が走って行く。伊代は枕の下に貯金の通帳を挟んで、蒲団の中にもぐり込んだ。涙がぶつぶつ湧き出て両方の耳の穴へ溜って行った。四拾円くれると云った時、何故、別れるのは厭だと云わなかったのだろう。伊代は「別れても何ともないわよ」とせゝら笑っていた自分が口惜しくてならなかった。何時間かうとうとしたと思うと、枕元へ誰か「おい」と云って坐ったような気配がした。伊代は寝呆けた眼を暗がりに向けた。九太が枕元にしゃがんでいる。伊代は何か訳の判らないような叫び声をあげて起きあがると電気をつけた。
「遅いじゃないの?」
何時も口を突いて出る言葉であった。九太は三楽館と云う映画館の楽士であったので帰りは何時も遅いのであった。
「遅かないよ。まだ十一時だもんね」
何時ものようにおだやかに九太はチョッキから大きな時計を出して伊代に見せた。すると、伊代はまぶしそうに時計の表を眺めて、九太に甘えたような笑顔を見せた。色々のことを思い出して頂戴と云ったような、そんな優しい眼であったけれど、九太は一足飛びに他人になったような、云えば、電車の車掌が切符を切るような顔色で、「度々、まさ子の名で電話をかけちゃ困るじゃないか」