후리가나로 읽는 일본 고전
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あるたんぼうきしゃのはなし
平林初之輔探偵小説選I〔論創ミステリ叢書1〕
平林 初之輔
平林 初之輔의 平林初之輔探偵小説選I〔論創ミステリ叢書1〕(あるたんぼうきしゃのはなし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 113,247자 · 229화면
金庫のそばには、五十四五位に見える、痩形の、顔面骨の尖った、前頭部の禿あがった男が、両手をしばられ、猿轡をはめられて倒れていました。
額に手をあててみると温かい。生きていることはたしかだ。それでいて、びくとも動かぬところを見ると、余程びっくりして、人事不省に陥ってしまったものらしい。
「こりゃ大変だ、すぐに本署へ知らせなくちゃいかん」と思って立ち上がろうとしているときに、離れの方から慌ただしくこちらへ駆けてくる足音がきこえました。無論それは甲刑事でした。
「おい大変な事件だよ」と乙刑事は、出会いがしらにこういって、甲刑事の袖をひいて、問題の八畳の室へつれて行きました。
「成程こりゃ大変だ……ところで、離れの方にも大変がもち上がってるんだ」
「どうしたい?」
「娘は、暑いので雨戸を一枚あけて、そこへ竹の簾をおろして、電気をつけたまま床の中にねころんで、何か書物を読んでいるらしいんだ」
「ふん」
「それでよそうかと思ったが、念のために低声で『もしもし』と呼んでみるとどうしたものか返事がないのだ。それから雨戸をこんこんと叩いてみたが、やっぱり向こうを向いたままで、こちらを振り向こうともしない。