일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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あるたんぼうきしゃのはなし

平林初之輔探偵小説選I〔論創ミステリ叢書1〕

平林 初之輔

平林 初之輔의 平林初之輔探偵小説選I〔論創ミステリ叢書1〕(あるたんぼうきしゃのはなし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 113,247자 · 229화면

아오조라 문고

ところで、その晩、つまり、舞台稽古の晩は、実にすばらしい出来栄えでした。カルメンとホセとの呼吸がぴたりとあって、谷村はすっかりホセになりきってしまい、妾はあの蠱惑的なボヘミア女になりきってしまったかのようでした。そればかりか、妾は谷村に対して突然、これまで感じたことのない激しい情熱を感じてきたことも告白しなければなりません。

――ね士官さん、妾をどこへつれて行こうっていうの?

――気の毒だが、監獄へさ。

――まあ妾どうしましょう? 妾はどうなるんでしょう? ねえ士官さま、お若くて、親切な士官さま、妾をかわいそうだと思って頂戴な! 妾を逃がして下さらないこと?

ここの場面などは、カルメンがホセにたのむのじゃなくて、妾が谷村にたのんでいる地のままの言葉にしてもちっとも不自然じゃないくらいでした。

稽古がすんでから谷村はこの上ない満足と幸福とにひたりながら、二つの眼をぎらぎら輝かせて妾に言いました。

「柳子さんは(妾は柳子という名前なんです)やっぱりちがいますね。ふだんは不勉強でも舞台稽古となると、すっかり別人のように油がのって、芸に一分のすきもなくなってくるんだから、今夜の出来栄えがそのまま明日の舞台でも再現できたら、すばらしいもんですよ」