후리가나로 읽는 일본 고전
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あるたんぼうきしゃのはなし
平林初之輔探偵小説選I〔論創ミステリ叢書1〕
平林 初之輔
平林 初之輔의 平林初之輔探偵小説選I〔論創ミステリ叢書1〕(あるたんぼうきしゃのはなし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 113,247자 · 229화면
ひょっとすると、ここの番人が、ライオンの檻の扉をしめるのを忘れておいたかも知れぬと私は考えてひやりとした。実際餌をやるときには、きっと誰かが扉をあけるにちがいないが、一年三百六十五日の間には何十とある猛獣の檻の扉を一つぐらいしめ忘れることはありそうなことだ。そして運悪くも、ちょうど今夜それを閉め忘れたかも知れたものでない。私は、ライオンが人間の匂いを嗅ぎつけて、のそのそ私のそばへ近づいてくる光景を想像した。私の頭蓋骨や肋骨はライオンの歯の間で、搗き肉のように砕かれる、私は頭をくわえられたまま、胴体や手足をだらりとぶら下げて無抵抗に噛まれている。不思議にこの想像は快いものであった。噛まれても痛くも何ともないような気がした。
またあるときは、誰か見回りの番人が、カンテラを下げて、私の隠れ場所を探しにきそうな気がしてしょうがなかった。しかもちょうど見回りの男が通りかかるときに、私がくしゃみか、咳をしたらどうだろう。私は人ごみの中でつかまったすりのように、大勢の中へ曳きずり出されて、ひどい目にあうにきまっている。その時には何と言ってごまかしたらよいものだろう? 私は法律の知識はないが、ことによると、規定時間外に、こうした公営物の中に潜伏している者は、重い罪になるのかも知れぬ。