후리가나로 읽는 일본 고전
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ひらがげんないとりものちょう
平賀源内捕物帳
久生 十蘭
久生 十蘭의 平賀源内捕物帳(ひらがげんないとりものちょう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 18,367자 · 36화면
朱房銀の匕首
源内先生は旅姿である。
旅支度と言っても、しゃらくな先生のことだから道中合羽に三度笠などという物々しいことにはならない。薄茶紬の道行に短い道中差、絹の股引に結付草履という、まるで摘草にでも行くような手軽ないでたち。茶筅の先を妙にへし折って、儒者ともつかず俳諧師ともつかぬ奇妙な髪。知らぬ人が見たら医者が失敗って夜逃をする途中だと思うかも知れない。
源内先生は高端折り。紺の絹パッチをニュッと二本突ン出し、笠は着ず、手拭を米屋かぶりにして、余り利口には見えないトホンとした顔で四辺の景色を眺めながらノソノソと歩いて行かれる。雨でも降ったらどうするつもりだろう、それが心配である。
尤も、先生一人ではない。僕を伴に連れている。
先生は世話好きとでもいうのか、親に棄てられた寄辺のない子供や、身寄のない気の毒な老人を、眼につき次第誰彼かまわず世話をする。福介もその一人で、今から五年前、出羽の秋田から江戸へ出て来て、倚るつもりの忰や娘に先立たれ、知らぬ他国で如何しようもなくなって、下谷の御門前で行倒れになりかけているのを気の毒に思って連れ帰って下僕にした。