후리가나로 읽는 일본 고전
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ひらがげんないとりものちょう
平賀源内捕物帳
久生 十蘭
久生 十蘭의 平賀源内捕物帳(ひらがげんないとりものちょう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 19,159자 · 39화면
この境内に立つと、根岸田圃から三河島村、屏風を立てたような千住の榛の木林。遠くは荒川、国府台、筑波山までひと目で見渡すことが出来る。
やはり、雪のやんだ、クワッと陽のさしかけた天気のいい朝で、時刻は五ツ半頃。
崖っぷちに、夏は納凉場になる葦簀張りの広い縁台があり、そのそばに小さな茶店が出ている。
雪の朝早くなので、まだ参詣の人影もない。やって来たのは、その娘ひとり。
納め手拭を御手洗の柱へかけて、社へちょっと拍手をうち、茶屋の婆へ愛想よく声をかけてから、崖っぷちへ行って、雪晴れの空の下にクッキリと浮き出した筑波山の方を眺めていた……。
茶屋の婆が、茶釜の下をのぞいている、ものの二、三分ほどの間に、娘は殺されて雪の上に倒れていた。
日頃、ひよわいお嬢さんだから、雪にでもあたったのかと思って、茶屋の婆が急いで駆け寄って見ると、雪あたりどころか、のぶかく頭を斬りつけられ、アララギの御神木の根元のところに、結ったばかりの路考髷を雪に埋めてあわれなようすをして死んでいた。あッ、という声さえきかなかった。
一方は切り立った崖で、一方はひと目で見渡せる広い境内。