후리가나로 읽는 일본 고전
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あきばしょから
平野零児随想集 らいちゃん
平野 零児
平野 零児의 平野零児随想集 らいちゃん(あきばしょから)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 21,838자 · 48화면
寡作流行作家
昨年の晩秋、福井ラジオの営業局長をしている池田左内君が上京のついでに、私の陋居を訪ねて来た。昔上智大学の新聞科で教壇というよりも、主として附近のオデン屋や、新宿の酒場え連れて行き、三、四の学生に他愛のない放談を聞かせただけだったが、彼はそのことで今に私を先生と呼び、教え子だったとしている一人であり、絶えず師の礼をとり、時々越前ガニや、ツグミやウニを送ってくる妙な男である。
戦争が苛烈になって、麻布の家が強制疎開をされると、私の女房の疎開をすすめ、土地の素封家である彼の郷里福井の家え預ってくれもした。
「先生、その額は面白いですな。誰の字ですか。正気の字じゃないけど」
彼は私の食堂にかけている、可なり大きな額を見乍ら焼酎のコップを舐めた。額には勢いはいいが、漫画とも童画ともつかぬ、魚らしい絵に、
『青きは鯖の肌にして、黯きは人の心なり』と判読せねば判らぬ字が踊っていた。これは戦前に、尾崎士郎君が私の麻布の家に遊びにきて、酔余に書きなぐったものである。伝説によると、尾崎君がまだ名をなさない学生の頃、小遣いに窮して当時売出しの桃中軒雲右衛門のために浪花節を作って送ったという、その冒頭の名文句だということである。