후리가나로 읽는 일본 고전
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いようへん
影を踏まれた女
岡本 綺堂
岡本 綺堂의 影を踏まれた女(いようへん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 23,110자 · 46화면
これは着物を着たままで、からだには何の疵もなかった。幸いに野良犬にも咬まれずに無事に泣きつづけていたらしい。その赤児から手がかりがついて、それは花川戸の八百留という八百屋の子であることが判った。
八百留には上総生れのお長ということし十三の子守女が奉公していて、その前日の午すぎに、いつもの通り赤児を背負って出たままで、これも明くる朝まで帰らないので、八百留の家でも心配して心あたりを探し廻っているところであった。してみると、お長は洲崎堤でお兼を絞め殺して、その着物を剥ぎ取って、おそらくその下駄をもはきかえて、自分の背負っている赤児をそこへ置き捨てて、どこへか姿を隠したものであるらしい。ふたりがどうしてそんなところへ連れ立って行ったのか、それは勿論わからなかった。お兼を殺してその着物を剥ぎ取るつもりで、お長がお兼を誘い出したとすれば、まだ十三の小娘にも似合わぬ恐ろしい犯罪である。
お長の故郷は知れているので、とりあえず上総の実家を詮議すると、実家の方へは戻って来ないということであった。数珠屋では娘の死骸を引取って、型の如くに葬式をすませた。
それにしても不思議なのは、その日の夕方にお兼が自分の町内にすがたを現わして、おなおさんその他の稽古朋輩に暇乞いのような詞を残して行ったことである。