후리가나로 읽는 일본 고전
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いようへん
影を踏まれた女
岡本 綺堂
岡本 綺堂의 影を踏まれた女(いようへん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 23,110자 · 46화면
いや、別に取毀すというほどの手間はかからない。大の男が両手をかけて一つ押せば、たちまち崩れてしまいそうな、古い小さな社であった。それでも職人が三、四人あつまって、いよいよその社を取毀すことになった時、ふと気がついてみると、その社の前の低い鳥居には「十三夜稲荷」としるした額がかけてある。稲荷さまにもいろいろあるが、十三夜稲荷というのは珍しい。それを聞いて、梶井は父と母と一緒に行ってみると、古びた額の文字は確かに十三夜稲荷と読まれた。
妙な稲荷だと梶井の父も言った。一体どんなものが祭ってあるかと、念のために社のなかを検めさせると、小さい白木の箱が出た。箱には錠がおろしてあって、それがもう錆ついているのを叩きこわしてみると、箱の底には一封の書き物と女の黒髪とが秘めてあった。その書き物の文字はいちいち正確には記憶していないが、大体こんなことが書いてあったのだ。
当家の妾たまと申す者、家来と不義のこと露顕いたし候間、後の月見の夜、両人ともに成敗を加え候ところ、女の亡魂さまざまの祟りをなすに付、その黒髪をここにまつりおき候事。
昔の旗本屋敷などには往々こんな事があったそうだが、その亡魂が祟りをなして、ともかくも一社の神として祭られているのは少ないようだ。