후리가나로 읽는 일본 고전
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かれがころしたか
彼が殺したか
浜尾 四郎
浜尾 四郎의 彼が殺したか(かれがころしたか)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 41,336자 · 83화면
父はその問題から日毎に健康が衰えてついに逝いた。残る妻子に、永久に法律を呪えと叫びながら。
おお俺は其の言葉を忘れない。法を呪え。法律の偽善的標語を呪え。俺は法律を呪う。この世に法律が存する限り、その法律を呪う。法律は正義の為に在るという。正しきものの味方也とうそぶく。然し如何に多くの法律が不正の為に利用せられたことだろう。而も如何に有力に、横暴に、不正は屡々法律を利用した事だろう。
俺に与えられた時間は短い。俺は出来るだけ早くこの手記を終らねばならぬ。いそいで事実を描いて行こう。
俺がはじめて道子に会ったのは、丁度三年程前の或る秋の日だった。故郷の中学を卒業しようとする頃、母も亦、世を呪いながら父の後を追ってしまったので、叔父の世話で東京に勉強をしに出して貰ったのであった。其の叔父が丁度道子の父に当る大学教授に世話になった事がある関係から、上京してしばらくたってから、道子の家を訪れたのだった。
俺ははじめて川上母子に会った時から、道子がすきになった。あの威張り返った母親に比して彼女は何という親しみ易い人だったろう。田舎から出て来てまもない俺を、道子は何といって家に迎えてくれた事か。