후리가나로 읽는 일본 고전
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かれはむかしのかれならず
彼は昔の彼ならず
太宰 治의 彼は昔の彼ならず(かれはむかしのかれならず)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 28,274자 · 57화면
案のじょう買い物らしく、青扇は箒をいっぽん肩に担いで、マダムは、くさぐさの買いものをつめたバケツを重たそうに右手にさげていた。彼等は枝折戸をあけてはいって来たので、すぐに僕のすがたを認めたのであるが、たいして驚きもしなかった。
「これは、おおやさん。いらっしゃい。」
青扇は箒をかついだまま微笑んでかるく頭をさげた。
「いらっしゃいませ。」
マダムも例の眉をあげて、それでもまえよりはいくぶんくつろいだようにちかと白い歯を見せ、笑いながら挨拶した。
僕は内心こまったのである。敷金のことはきょうは言うまい。蕎麦の切手についてだけたしなめてやろうと思った。けれど、それも失敗したのである。僕はかえって青扇と握手を交し、そのうえ、だらしのないことであるが、お互いのために万歳をさえとなえたのだ。
青扇のすすめるがままに、僕は縁側から六畳の居間にあがった。僕は青扇と対座して、どういう工合いに話を切りだしてよいか、それだけを考えていた。僕がマダムのいれてくれたお茶を一口すすったとき、青扇はそっと立ちあがって、そうして隣りの部屋から将棋盤を持って来たのである。君も知っているように僕は将棋の上手である。