후리가나로 읽는 일본 고전
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かれ
彼
芥川 竜之介의 彼(かれ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 4,980자 · 11화면
しかし僕の記憶には生憎本のことは残っていない。ただ僕は筆立ての中に孔雀の羽根が二本ばかり鮮かに挿してあったのを覚えている。
「じゃまた遊びに来る。兄さんによろしく。」
彼の妹は不相変赤児に乳房を含ませたまま、しとやかに僕等に挨拶した。
「さようですか? では皆さんによろしく。どうもお下駄も直しませんで。」
僕等はもう日の暮に近い本所の町を歩いて行った。彼も始めて顔を合せた彼の妹の心もちに失望しているのに違いなかった。が、僕等は言い合せたように少しもその気もちを口にしなかった。彼は、――僕は未だに覚えている。彼はただ道に沿うた建仁寺垣に指を触れながら、こんなことを僕に言っただけだった。
「こうやってずんずん歩いていると、妙に指が震えるもんだね。まるでエレキでもかかって来るようだ。」
三
彼は中学を卒業してから、一高の試験を受けることにした。が、生憎落第した。彼があの印刷屋の二階に間借りをはじめたのはそれからである。同時にまたマルクスやエンゲルスの本に熱中しはじめたのもそれからである。僕は勿論社会科学に何の知識も持っていなかった。が、資本だの搾取だのと云う言葉にある尊敬――と云うよりもある恐怖を感じていた。