후리가나로 읽는 일본 고전
ja-reading.com
후리가나가 있는 일본 고전을 온라인으로 읽으세요. JLPT 수준으로 골라 보고, 단어를 눌러 뜻을 확인하고, 문장을 번역하세요.
びしょう
微笑
豊島 与志雄
豊島 与志雄의 微笑(びしょう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 20,995자 · 43화면
然し本当はそれがなおいいわけではなかったか。皆其処では心が淋しくはなかったか。また、もしこれが何か物でも尋ねるのであったら、皆親切に教えてくれたかも知れない。然し、用の無い言葉の方はよりよく人の心を温めるものではないか。――私達はそういうことまで考えた。理論は実行の後からついてくる、そう思って私達は二人で苦笑もした。
然し何よりもそれは、私達の当時の生活状態では興味あることであった。
薄暗がりで眺める人間の顔は変なものだった。私達が話しかけるのに気味悪がって遠くに立ち去って、またじろじろとこちらを顧みる者の顔の中は、ただ眼と口とばかりだった。眼は冷たく鋭く輝いていた。口は妙にだらりとしていた。眼には敵意があり、口には可笑しな愛嬌さえあった。美しかるべき眼と貪慾なるべき口とのその表情の矛盾は、やがて社会生活の矛盾を示すものではなかったろうか。眼が陰険で口が可愛いいものは、動物のうちに人間ばかりのような気もした。ただその時、鼻が少しも私の注意を惹かなかったのは変だった。
十二月の末になって、いつとはなしに私達の注意をひく男が一人現われて来た。マントを着て草履をはいていたが、或は鳥打帽を被ったり、或は中折を被ったりした。