후리가나로 읽는 일본 고전
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おそろしきさくご
恐ろしき錯誤
江戸川 乱歩
江戸川 乱歩의 恐ろしき錯誤(おそろしきさくご)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 23,075자 · 46화면
俺は頭がどうかしている。馬鹿な、そんなことがあってたまるものか。だが、併し、それは果してあり得ないことだろうか。何故、こんなとほうもない妄想が、俺の頭の中へ浮んで来たのだろう。僕は恐ろしさに身震いした。若し……若し、妙子があれ以来その男を思いつづけていたとしたら。……
自然に、僕の考は妙子との結婚当時の事情に移って行った。その男は結婚以前の僕にとって、一人の恐るべき競争者だった。僕は窃かに信じているんだが、その男自身も、彼の周囲の人達も、妙子が僕と結婚しようなどとは、毛頭考えていなかったに相違ない。そして、その男こそ、妙子の未来の夫たる仕合者だと信じていたに相違ない。それ程、その男は妙子の心を奪っていた。若しそこに特別の事情がなかったなら、妙子は必ず彼のもとに走ったであろう。敵ながら、その男にはあらゆる条件が備わっていた。それに反して僕はというと、何一つ女の心を惹く様な美点を持合していなかったではないか。だが、僕の方には特別の武器があった。僕は妙子の家と遠い姻戚関係があった許りでなく、昔に遡れば、僕の一家は妙子の一家の主筋に当るのだった。そうした関係から、結婚を申込めば妙子の両親が、あの昔気質な老人達が、二つ返事で寧ろ有難く承諾するのは当然のことだった。