후리가나로 읽는 일본 고전
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きょうふじょう
恐怖城 他5編
佐左木 俊郎
佐左木 俊郎의 恐怖城 他5編(きょうふじょう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 143,735자 · 290화면
紀久子の戯れだった。狙いは続いた。
じっと紀久子の様子を窺っていた蔦代は、その隙に乗じて包みを取って馬車から飛び降りていこうとした。
「蔦代! 駄目! 逃げちゃ!」
紀久子はその銃身をもって蔦代を押さえつけた。
瞬間! 銃は音を立てて発砲した。蔦代はがくりと倒れた。
「あらっ!」
紀久子はがたんと銃を取り落とした。
「あらっ!」
紀久子の顔は紙より白くなった。紀久子はもうどうしていいのか分からなかった。彼女は大声を上げて泣きたかった。しかし、泣けなかった。彼女は致死期の蔦代の身体の上に身を投げかけて謝りたい気もした。しかし、彼女にはそれもできなかった。彼女はただわなわなと身を顫わした。
自分の思いがけぬ罪に対する恐怖に噛み苛まれながら、彼女は亡失状態の中で微かにひくひくと蠢いている蔦代の致死期の胴体を見詰めていた。
発砲と同時に、馭者台から身を向け直して蔦代の上に目を落としていた正勝は、その目を上げて紀久子を見た。その目は爛々と火のように輝いていた。唇がわなわなと顫えていた。
「正勝ちゃん! どうしましょう? どうしましょう?」
紀久子は正勝を、彼の幼少時のまっかちゃんという呼び名で呼んで、ようやくそれだけを言った。