후리가나로 읽는 일본 고전
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きょうふじょう
恐怖城 他5編
佐左木 俊郎
佐左木 俊郎의 恐怖城 他5編(きょうふじょう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 143,735자 · 290화면
前田賢三郎はその対策についていろいろと考えた。書斎の前の露台に籐の長椅子を持ち出させて、その上に長々と寝そべりながら彼はその対策を考えつづけていた。
彼の白い手に挟んだ高価な葉巻からは、青白い煙が静かに立っていた。そして庭の隅の、五、六本の山桜はもう咲きかけていた。麗らかな懶い春であった。その麗らかな自然の中で、相闘っている一方の人間が充分の余裕をもってその対策を考えているのだった。
そこへ、しばらくぶりに布川が彼を訪ねてきた。賢三郎は布川を自分の書斎へ通させて、そこで会った。
「やあ! しばらくじゃないか?」
「しばらくです」
布川は油の染みた背広を着ている。それはところどころ破れてさえいた。
「その後どうしているね?」
「このとおりです」
「運動をやっているんだね」
「やっているんです。それで、今日はお金を寄付していただこうと思ってきたんです」
「どこかに争議があるのかね?」
「あなたにも似合わないことを言いますね。争議なら、いつだってどこにもありますよ。しかし、今日はその争議の費用を頂きに来たわけではないんです」
「何をする金なんだね?」
「職工たちに仮装観桜会を開いてやろうと思うんです」