후리가나로 읽는 일본 고전
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おんをかえすはなし
恩を返す話
菊池 寛
菊池 寛의 恩を返す話(おんをかえすはなし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 9,018자 · 19화면
惣八郎は物静かな調子で、
「先刻より待ち申してござる」と挨拶した。
甚兵衛は返す言葉がなかった。主客は、恐ろしい沈黙のうちに座敷へ通った。
すると、惣八郎の養女が静かに匕首の載っている三宝を持って現れた。
惣八郎は居去りながら、匕首を取り上げて、甚兵衛に目礼した。
「いざ、介錯下されい、御配慮によって、万事心残りなく取り置きました」といいながら、左の腹に静かに匕首の切っ先を含ませた。
甚兵衛は茫然として立ち上り、茫然として刀を振った。
しかし、打ち落した首を見ていると、憎悪の心がむらむらと湧いた。報恩の最後の機会を、惣八郎のために無残にも踏み躙られたのだと、甚兵衛は思った。
惣八郎の書置きには、「甚兵衛より友誼をもって自裁を勧められたるにより、勝手ながら」とことわってあった。
君命にも背かず、友誼をも忘れざる者というので、甚兵衛は、一藩の褒め者となった。そして殿から五十石の加増があった。彼はその五十石を、惣八郎から受けた新しい恩として死ぬまで苦悶の種とした。
その後、享保の頃になって、天草陣惣八覚書という写本が、細川家の人々に読まれた。そのうちの一節に、「今日計らずも甚兵衛の危急を助け申候。