후리가나로 읽는 일본 고전
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おんをかえすはなし
恩を返す話
菊池 寛
菊池 寛의 恩を返す話(おんをかえすはなし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 9,018자 · 19화면
すると、余り屈託をした自分がばからしくなってきた。彼は元気をかなり取り返すことができた。
陣中へ帰ってみると、同輩はなんともいわなかった。惣八郎はと見ると、篝火の火影で、鑷を使っていた。惣八郎は今日のできごとを誰にも披露しなかったのだ、と思った。が、甚兵衛の心のうちには、それに対する感謝の心は湧かなかった。彼は、二重に恩を着たような心がして、心苦しくさえ思ったのである。
その後も、惣八郎が金の十字架を分捕りしたという話をする者はあったが、しかしそのできごとについては、誰も一言もいわなかった。甚兵衛は、自分の前を憚っていわぬのかと思った。が、しかし、それは彼の邪推であることが間もなく分かった。
甚兵衛は、一心に報恩の機会を待った。惣八郎とは、陣中で朝夕顔を見合わしたが、惣八郎はなんとも、その日のできごとについては、いわなかった。甚兵衛の方でも、自らその日のできごとについて語るのを避けた。彼が惣八郎から恩を受けたことを、惣八郎に対して公認することがいかにも不快であった。今にも、恩返しをしてやると心のうちで思っていた。
やがて、正月五日になると、上使松平伊豆守が天草表へ到着した。