후리가나로 읽는 일본 고전
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あくじゅうへん
悪獣篇
泉 鏡花
泉 鏡花의 悪獣篇(あくじゅうへん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 36,715자 · 73화면
目もようよう判然と、蚊帳の緑は水ながら、紅の絹のへり、かくて珊瑚の枝ならず。浦子は辛うじて蚊帳の外に、障子の紙に描かれた、胸白き浴衣の色、腰の浅葱も黒髪も、夢ならぬその我が姿を、歴然と見たのである。
十七
しばらくして、浦子は玉ぼやの洋燈の心を挑げて、明くなった燈に、宝石輝く指の尖を、ちょっと髯に触ったが、あらためてまた掻上げる。その手で襟を繕って、扱帯の下で褄を引合わせなどしたのであるが、心には、恐ろしい夢にこうまで疲労して、息づかいさえ切ないのに、飛んだ身体の世話をさせられて、迷惑であるがごとき思いがした。
且つその身体を棄てもせず、老実やかに、しんせつにあしらうのが、何か我ながら、身だしなみよく、床しく、優しく、嬉しいように感じたくらい。
一つくぐって鳩尾から膝のあたりへずり下った、その扱帯の端を引上げざまに、燈を手にして、柳の腰を上へ引いてすらりと立ったが、小用に、と思い切った。
時に、障子を開けて、そこが何になってしまったか、浜か、山か、一里塚か、冥途の路か。船虫が飛ぼうも、大きな油虫が駈け出そうも料られない。廊下へ出るのは気がかりであったけれど、なおそれよりも恐ろしかったのは、その時まで自分が寝て居た蚊帳の内を窺って見ることで。