일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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かなしいごかい

悲しい誤解

豊島 与志雄

豊島 与志雄의 悲しい誤解(かなしいごかい)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 11,139자 · 23화면

아오조라 문고

陽が陰るように、胸に憂欝の気が立ち罩める時がある。はっきりした原因があるのではない。ごく些細なことが寄り集まって、雲のように、心の青空を蔽うのである。すると私は生気なく、しみじみと物思う気持ちになる。今朝ほどからそうだった。――昨夜、父の友人の相手をして、ウイスキーと焼酎をしたたか飲んだ。父はこの頃少し酒をひかえているし、友人はひどい飲み助なので、私が呼ばれて相手になったのである。それから、ぐっすり眠ったのだが、夜中に、ちょっと眼を覚した。二燭の小さな電燈の淡い光りで、室内は水の中の感じだ。その水中に、娘の小さな頭と妻のもじゃもじゃした毛髪とが並んでいる。なにかもの悲しい気がして、雨戸の方へ寝返りをすると、戸外はしんしんと、露のおりる気配で、こおろぎが一匹鳴いていた。ただの一匹だ。その鳴声に私は聞き入り、また眠った。

そのことが、朝になって思い出された。まだアルコール分が頭脳の中に残ってる心地がして、煙草もまずく、食事もまずく、ぼんやり新聞の活字を眼で追いながら、夜中のこおろぎの鳴声を心に聞いた。

食卓の上の幾つかの小皿のものを、妻は自分も食べ、娘にも食べさしていた。