후리가나로 읽는 일본 고전
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あいのごとく
愛のごとく
山川 方夫
山川 方夫의 愛のごとく(あいのごとく)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 103,908자 · 210화면
信二は、ただいそいでいた。
「前を見ていろ、面白いものがあるぞ」
兄がいった。もう、兄の表情がわからなかった。かすかな起伏のあるほの白いアスファルトの道路が、幌のうしろにはてしなく帯をころがすように繰り出されて、夜はその道を呑むようにして迫っていた。
彼は幌の隙間に目をあて、光芒を投げて進むトラックの前をながめた。闇のなかに、目にうつるものがなかった。潮風を吹きつけてくる海が左手にあったが、その渚の線さえが見えなかった。
やがて、エンジンの音がゆるんだ。車輪が砂利をはじき、警笛を立ててトラックは右折しようとして、ヘッド・ライトが間近な松林を照らし出した。蹲った形の、巨大なものがそこにあった。
「戦車だ」と彼はいった。泥いろに塗られた大型の戦車が、松の間から、海の方向にななめに長い砲身をのばしていた。
「見えたか」と兄がいった。「でも、あれははりぼてさ、模型だ」
兄は笑った。正面に赤い電飾のついたキャムプの門があった。それが目的の部隊だった。信二は、それまで茅ヶ崎のキャムプが、戦車隊のそれであるのを知らなかった。
「戦車隊は、白いアメちゃんばかりなんだ」兄は楽器のケースを引き寄せながらいった。