일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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あいしょへき

愛書癖

辰野 隆

辰野 隆의 愛書癖(あいしょへき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 11,404자 · 23화면

아오조라 문고

パリに遊んだ人々は誰でもセーヌ左岸に列んでいる古本屋を決して忘れないだろう。店と云っても、家ではない。唯、セーヌ河岸の石崖の上に、無数の古本の箱が、石崖の続く限り――と云うと少し話が大きくなるが、――サン・ミシェル河岸からヴォルテール河岸に至る七、八丁か八、九丁の間は、高さ一尺、方三尺ばかりの箱に古本を詰め込んだのが数限りなく行列している。二、三間隔きに箱の主がいて、牀几に腰をかけたり、ぼんやり、セーヌ河畔の釣客を眺めたり、煙草の煙を輪に吐いたり、葡萄酒の喇叭飲みをしたり、居睡をしたりしている。大抵は無愛想なような、人の善さそうな爺さん連で、若い顔は罕であるが、彼等は日が暮れると、各自の箱に錠を卸して帰って了う。翌朝になると、彼等は再たのこのこと、馬の糞のように集まって来て、箱の前に呑気な顔を列べて、愛書家の群を待っている。

此の河岸の古本屋で珍書を漁る人も鮮くないが、掘出物は滅多にないらしい。僕も屡、眼を皿のようにし、片端から漁って歩いたが、ニザールの仏文学史四巻を二十法で買ったのが関の山だった。或日、『屁の術』という珍本を見付けて、一寸誘惑されたが、あまり馬鹿々々しいので、表題だけ拝見して御免蒙った。