후리가나로 읽는 일본 고전
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わがあいするしじんのでんき
我が愛する詩人の伝記
室生 犀星
室生 犀星의 我が愛する詩人の伝記(わがあいするしじんのでんき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 116,728자 · 231화면
郵便局の窓口で
僕は故郷への手紙をかいた。
鴉のやうに零落して
靴も運命もすり切れちやつた
煤煙は空に曇つて
けふもまだ職業は見つからない。
父上よ
何が人生について残つて居るのか。
僕はかなしい虚無感から
貧しい財布の底をかぞへて見た。
すべての人生を銅貨にかへて
道路の敷石に叩きつけた。 (後略)
あまり親友であるために、その真髄のあたいが判らないことがある。判っていてもその半分は萩原の場合に、私自身の中に溶けこませていたからだ。私は多くの萩原の評論風な、たとえば「新しい慾情」とか「虚妄の正義」とか「絶望への逃走」とかいう哲人風な感想論評には余りこれを迎えなかった。萩原から言わせるとこれらの虚無の世界で、たえず明りを見ようという希みこそ、彼の生涯をつらぬいた逞しい意欲であったのである。併し私は元来評論嫌いであったからこれを愛読するに至らなかった。萩原は七、八冊のノートに書きこんだ評論を暇にまかせて、どこから出版されるというあてなしに書きためていた。非常に早く書く方でありその辞句のあやつりも巧みであって、ああいう一見だらしのない人物が、よくも秩序を保たなければならない論文が、すらすらとながれる如くに書けるものだと思っていた。