후리가나로 읽는 일본 고전
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あるおんな
或る女
有島 武郎
有島 武郎의 或る女(あるおんな)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 149,981자 · 295화면
通って見ようとした事は幾度あったかわからない。こうさえ行けばいいのだろうと通って来て見ると、いつでも飛んでもなく違った道を歩いている自分を見いだしてしまっていた。そしてつまずいては倒れた。まわりの人たちは手を取って葉子を起こしてやる仕方も知らないような顔をしてただばからしくあざわらっている。そんなふうにしか葉子には思えなかった。幾度ものそんな苦い経験が葉子を片意地な、少しも人をたよろうとしない女にしてしまった。そして葉子はいわば本能の向かせるように向いてどんどん歩くよりしかたがなかった。葉子は今さらのように自分のまわりを見回して見た。いつのまにか葉子はいちばん近しいはずの人たちからもかけ離れて、たった一人で崕のきわに立っていた。そこでただ一つ葉子を崕の上につないでいる綱には木村との婚約という事があるだけだ。そこに踏みとどまればよし、さもなければ、世の中との縁はたちどころに切れてしまうのだ。世の中に活きながら世の中との縁が切れてしまうのだ。木村との婚約で世の中は葉子に対して最後の和睦を示そうとしているのだ。葉子に取って、この最後の機会をも破り捨てようというのはさすがに容易ではなかった。