후리가나로 읽는 일본 고전
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あるおんな
或る女
有島 武郎
有島 武郎의 或る女(あるおんな)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 149,981자 · 295화면
ところが長い間そこにたたずんでいたものと見えて、磁石で吸い付けられたように、両足は固く重くなって一寸も動きそうにはなかった。寒気のために感覚の痲痺しかかった膝の関節はしいて曲げようとすると、筋を絶つほどの痛みを覚えた。不用意に歩き出そうとした葉子は、思わずのめり出さした上体をからく後ろにささえて、情けなげに立ちすくみながら、
「ま、ちょっと」
と呼びかけた。事務長の後ろに続こうとした岡と呼ばれた青年はこれを聞くといち早く足を止めて葉子のほうを振り向いた。
「始めてお知り合いになったばかりですのに、すぐお心安だてをしてほんとうになんでございますが、ちょっとお肩を貸していただけませんでしょうか。なんですか足の先が凍ったようになってしまって……」
と葉子は美しく顔をしかめて見せた。岡はそれらの言葉が拳となって続けさまに胸を打つとでもいったように、しばらくの間どぎまぎ躊躇していたが、やがて思い切ったふうで、黙ったまま引き返して来た。身のたけも肩幅も葉子とそう違わないほどな華車なからだをわなわなと震わせているのが、肩に手をかけないうちからよく知れた。事務長は振り向きもしないで、靴のかかとをこつこつと鳴らしながら早二三間のかなたに遠ざかっていた。