후리가나로 읽는 일본 고전
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あるおんな
或る女
有島 武郎
有島 武郎의 或る女(あるおんな)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 149,981자 · 295화면
一七
一七
事務長のさしがねはうまい坪にはまった。検疫官は絵島丸の検疫事務をすっかり年とった次位の医官に任せてしまって、自分は船長室で船長、事務長、葉子を相手に、話に花を咲かせながらトランプをいじり通した。あたりまえならば、なんとかかとか必ず苦情の持ち上がるべき英国風の小やかましい検疫もあっさり済んで放蕩者らしい血気盛りな検疫官は、船に来てから二時間そこそこできげんよく帰って行く事になった。
停まるともなく進行を止めていた絵島丸は風のまにまに少しずつ方向を変えながら、二人の医官を乗せて行くモーター・ボートが舷側を離れるのを待っていた。折り目正しい長めな紺の背広を着た検疫官はボートの舵座に立ち上がって、手欄から葉子と一緒に胸から上を乗り出した船長となお戯談を取りかわした。船梯子の下まで医官を見送った事務長は、物慣れた様子でポッケットからいくらかを水夫の手につかませておいて、上を向いて相図をすると、船梯子はきりきりと水平に巻き上げられて行く、それを事もなげに身軽く駆け上って来た。検疫官の目は事務長への挨拶もそこそこに、思いきり派手な装いを凝らした葉子のほうに吸い付けられるらしかった。