후리가나로 읽는 일본 고전
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あるおんな
或る女
有島 武郎
有島 武郎의 或る女(あるおんな)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 149,981자 · 295화면
「早月さん、ちょっとそこからでいい、顔を貸してください」
すぐ下で事務長のこういう声が聞こえた。葉子は母に呼び立てられた少女のように、うれしさに心をときめかせながら、船橋の手欄から下を見おろした。そこに事務長が立っていた。
「One more over there,look!」
こういいながら、米国の税関吏らしい人に葉子を指さして見せた。官吏はうなずきながら手帳に何か書き入れた。
船はまもなくこの漁村を出発したが、出発するとまもなく事務長は船橋にのぼって来た。
「Here we are! Seatle is as good as reached now.」
船長にともなく葉子にともなくいって置いて、水先案内と握手しながら、
「Thanks to you.」
と付け足した。そして三人でしばらく快活に四方山の話をしていたが、ふと思い出したように葉子を顧みて、
「これからまた当分は目が回るほど忙しくなるで、その前にちょっと御相談があるんだが、下に来てくれませんか」
といった。葉子は船長にちょっと挨拶を残して、すぐ事務長のあとに続いた。階子段を降りる時でも、目の先に見える頑丈な広い肩から一種の不安が抜け出て来て葉子に逼る事はもうなかった。