후리가나로 읽는 일본 고전
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せんうんをかるじょかい
戦雲を駆る女怪
牧 逸馬
牧 逸馬의 戦雲を駆る女怪(せんうんをかるじょかい)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 29,866자 · 59화면
こういう命令がマタ・アリに与えられた。相手は、いちじ戦争から帰ってぶらぶらしている青年将校である。こんなのこそは、マタ・アリの専門とするところ。わけはない。数日のうちに成功して、聞き出せるだけ聞き出してしまう。が、マドリッドに光っている特務機関の眼が、ドイツばかりではない。イギリスのスパイが、ランドルフ大尉の様子に秘密の流出する不安を感じて、急ぎ上司へ通告して指揮を仰ぐ。大尉はにわかにマドリッドを退去してパリーへ北上すべしという厳命を受け取った。するとマタ・アリも、ランドルフと一緒にパリーへ行かなければならないことになったが、第二号に捕まってあんな目に遭ったばかりだから、パリーはマタ・アリの鬼門である。ああいう経験は一度でたくさんだ。ここで、彼女は初めて駄々をこねてみたけれど、もちろんいやだと言って許されることではない。保証と脅迫に押し出されるようにしぶしぶマドリッドをあとにパリーへ向う。脅迫は密偵部の常套手段、命令に服従しなければ、同志が手をまわしてその地の官憲へ売り込む。四面楚歌のドイツのスパイだから、たちまち闇黒の中で処分されてしまうという段取りで、一度密偵団の上長に白眼まれたが最後、どこにいても危険は同じことだ。