후리가나로 읽는 일본 고전
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おしえのきせき
押絵の奇蹟
夢野 久作
夢野 久作의 押絵の奇蹟(おしえのきせき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 58,749자 · 114화면
父の方も元来が凝り性なのに、この衣裳ばかりは又特別で、うわごとにまで云う位だったそうで、スッカリ気に入るまでには小一年もかかりまして、僕が生れると間もない翌年の春狂言にやっと間に合った位だそうです。その前に父は二度ばかりどこか(多分関西でしょう)へ行きまして、この衣裳のお手本を見て来ていろいろ細かい指図をし直しましたし、春芝居の間際になってから、着付けと身体の極り工合を今一度見に出かけたと後になって僕に話しておりましたが、しかし、そのお手本の正体が錦絵だったか押絵だったか。又、それがどこに在ったものやら、そんな事は一度も話したことがありませんので、僕も今だに不思議に思っております。
それに皆様も御承知か存じませぬが、父はよく女に化けて旅行する癖がありましたそうで、ジミな十徳を着て、お高祖頭巾を冠って、養生眼鏡をかけますとチョットしたお金持ちの後家さん位に見えましたそうで、興行中でも何か気に入らぬ事がありますと、そんな風にして姿を隠して、太夫元が困っているのをすぐ傍から見ていて面白がったりしたそうです。ですからその時の旅行もキットそんな姿で汽車に乗って行ったのでしょう。