후리가나로 읽는 일본 고전
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ゆびとゆびわ
指と指環
佐左木 俊郎
佐左木 俊郎의 指と指環(ゆびとゆびわ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 5,538자 · 12화면
一方はコンクリートの上層建築。一方はトタン屋根のバラック。その薄暗い街燈の下で、婦人は一人の男と立ち話をしていた。男は毛の立ったハンチングを目深に冠って鼠色の二重廻しを着ていた。
「おかしいったらありやしないわ。先方では逆に、いつの間にか私の後をつけているらしい様子なのよ。今頃、また一所懸命に私を見つけてるかも知れないわ、きっと。可哀想に!……」
婦人は静かに笑いながら話していた。
「実際、おめえの手にかかっちゃ叶わねえな。全くおめえの指は素晴らしい指だよ。俺なんか、今夜はまだ蟇口一つだ。」
「しかも私のなんか、バスの中でなのよ。先様が一所懸命で私に注意しているそのチョッキの、内ポケットで拾ったんですからね。」
「うむ。素晴らしいもんだ。どれ、もう一度よく見せな。おめえの指先も素晴らしいが、それも大したもんじゃねえか。どれ、見せな。」
「見せてあげるけど、手をつけさせるわけには行かないわ。そら御覧。さあ!」
婦人は右手を高く上げた。その靭かな白い指の先に、素晴らしく大きな青光りのダイヤが、街燈の光線を受けて、青く赤く紫に、きらきらと光った。
――昭和四年(一九二九年)『新潮』