후리가나로 읽는 일본 고전
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ゆびとゆびわ
指と指環
佐左木 俊郎
佐左木 俊郎의 指と指環(ゆびとゆびわ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 5,538자 · 12화면
「まあ! そんな立派な指環を? そんな綺麗な……」
「指環が立派過ぎると、結局、立派な指というものが無くなるんだ。馬鹿馬鹿しい。」
「ここに一人、綺麗な指の人がいるわ。そりゃ、とても素敵な指よ。もう少しすると来るわ。」
「よし! その人が来たら会わしてくれ。本当に綺麗な指をしていたら、この指環を上げよう。どうせ綺麗な指に嵌めてやろうと思って買って来た指環なのだから……」
彼は軽い興奮の表情でカクテルのグラスを唇に持って行った。
彼は最早常人ではなかった。彼は指の偏執狂だった。死んだ愛人の彰子の手のように素晴らしく綺麗で立派な指を探ろうとする偏執狂だった。
彼の愛人だった彰子の手。――石蝋に彫り浮かべたような白い指だった。その一本一本の指は靭かに、繊細な神経を持った生物のように動くのだった。肥っていて丸味を持ってはいたが、整った線で細長い感じだった。そして、鈍白く半透明の、例えば上簇に近い蚕を思わせた。爪もまた桜色の真珠を延べたような美しさだった。――彰子は綺麗なその手のために、その立派な長い指のためにピアニストを志したのだった。
彼は仏蘭西へ渡るとき、彰子のその優雅な指を飾るために、極めて立派な芸術的な指環を買って帰ることを彼女に約束したのだった。