후리가나로 읽는 일본 고전
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はせくらじけん
支倉事件
甲賀 三郎
甲賀 三郎의 支倉事件(はせくらじけん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 204,697자 · 406화면
所でもし電車が開通していなかったとしたらどうか。
諸君よ。裁判と云うものは極微細な事から分れるものである。鳥渡した矛盾でも全判決を覆えす事が出来る。もし当時清正公前に電車が開通していなかったなら、そこから乗車したと云う支倉の自白は全然価値を失って終うではないか。従って神楽坂署の聴取書は根本から権威を失って終う。問題は微々たるようで実は頗る重大なのである。
古我判事は支倉が人を嘗めたような調子で、
「その頃そこには電車はない筈です」
と述べた時に、忽ちピタリと予審を閉じて終った。彼の云うような事実があるとすると、予審を根本的に遣り直さねばならぬ事になるかも知れぬ、至急に事実を確かめなければならぬと思ったからである。
古我氏は直に市電気局に当時既に電車が開通していたか否かの問合状を発するよう書記に命じた。
所が流石に支倉はさる者だ。彼は早くも古我判事の狼狽の色を見て取ったと見えて、機乗ずべしとなし、獄中より上願書と題して半紙二枚に細々と認めたものを差出して古我判事を動かそうとした。
当時支倉は神楽坂署で自白をしたと云う事を深く後悔していた。彼は周囲の事情が刻々に自分に不利に展開し、剰え立派な自白と云うものがあるので、最早云い逃れられぬ羽目に陥っていた。