후리가나로 읽는 일본 고전
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はせくらじけん
支倉事件
甲賀 三郎
甲賀 三郎의 支倉事件(はせくらじけん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 204,697자 · 406화면
「そんな事が出来る筈はないと思いますが、早速調て見ましょう。この家を押えられては困るでしょう。支倉さんも家を非常に頼みにして居られて、一日も早く無事にあなたの手に移るようにと、そればかりを気にして居られたのですからね」
「はい」
静子はうなだれた。
「この家が自由になりませんと、弁護士を頼む事も出来ません」
「ほんにそうですね」
静子の言葉に浅田は始めて気がついたように、
「公判に廻るとすれば一時も早く弁護士を頼まなければなりません。宜しゅうございます。私がその方をお引受けしましょう」
「何から何まであなたにして頂いては私の心がすみませぬ」
その親切が恐ろしいと静子は溺れた者の藁でも掴むと云うその心で、外に頼る所もない身の浅田の申出に飛つきたいのを、じっと仰えて静かに断りの言葉を述べた。
「そんな遠慮はいりませんよ。奥さん、今更そんな事を云うのは水臭いじゃありませんか」
ニヤリと笑った浅田の顔は常よりも一層卑しげに見えた。なろう事ならこの人の世話は断りたいのであるけれども、この人を外にして夫の世話をして呉れる人があろうとも思えぬ。思い悩んだ静子は黙って頭を垂れた。