후리가나로 읽는 일본 고전
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こきょう
故郷
豊島 与志雄
豊島 与志雄의 故郷(こきょう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 2,000자 · 4화면
自分が孵化して育った故郷の地だけが、彼等の記憶に――と云って悪ければ本能的感覚に――残っている。そして其処を指して、腹を裂くべく待構えてる人の手があることは知らずに、先を争って産卵にやってくる。
こういう現象は、十和田湖其他姫鱒を養殖してる湖水に、恐らく共通のものだろうと思う。
そしてそれは単に湖水だけではない。
石狩の鮭と釧路の鮭とは、品質がまるで異っている。魚族が異っているからである。
鮭の人工孵化を行い得られるのは、鮭が自分の生れ故郷を忘れないからである。大海に放たれても、産卵期には必ず、自分が幼魚の頃甞て放たれた場所へ、殆んど洩れなく戻ってくる。石狩川から放たれた鮭は、決して釧路川へ上ることなく、必ず石狩川へ上ってくる。釧路川から放たれた鮭も、また同様である。
何故に然るか。それを私は説明し得ない。ただ、事実はそうだというまでである。
ユダヤ民族研究者の云う処に依れば、彼等の理想が如何なるものであろうとも、なおよく云えば、彼等がたとえ世界的国家の建設を夢想しようとも、その中心地は必ずユダヤの故地だそうである。何故? の問題ではない。そうでなければならないのである。