후리가나로 읽는 일본 고전
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ぶんがくのどんてん
文学の曇天
豊島 与志雄
豊島 与志雄의 文学の曇天(ぶんがくのどんてん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 4,837자 · 10화면
然しその主体が、老衰期にはいり、没落に近づくにつれて、その権力的統制には頑迷な老人に見らるるような、焦慮と剛直とが不思議に混和した一種のファッショ的傾向を帯びる。そしてこういう傾向こそ、凡てのものを陰欝な気分で塗りつぶす。
五・一五事件は、吾国のファシズムの一つの現れだと云われるが、私はそう思わない。あの事件あって、別種のファッショ的傾向が益々濃厚になったのではないか。また、所謂強力内閣が出現しても、吾国の生命線と云わるる満蒙の地が確保されても、社会的雰囲気は妙に陰欝になるばかりではないか。これは単に、資本主義の行き詰りや軍部の跳梁などだけでは、説明しつくされない。その根本のところは、社会的な経済的なまた政治的な老衰が、老衰につきものの動脈硬化を来し、その動脈硬化がこの場合には生命硬化となり、統制の側に於ける焦慮と剛直とを伴って、ファッショ的傾向となって現れ、それが全面的に進出してきたこと、そのことではないだろうか。
私は今茲に、政治や社会を論ずるつもりでは毛頭ない。然しながら、文学の曇天を感ずるが故に、その曇天の由って来るところを探ってゆくと、右のようなことを考えざるを得ないのである。