후리가나로 읽는 일본 고전
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きられたさに
斬られたさに
夢野 久作
夢野 久作의 斬られたさに(きられたさに)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 20,352자 · 41화면
何石取であろう……。
と思ううちに又も、松原を背景にした若侍の面影が天井の火影に浮かみ現われた。……水色の襟と、紺色の着物と、桐油合羽の黄色を襲ね合わせた白い襟筋のなまめかしかったこと……。
しかし、それも僅かの間のまぼろしであった。平馬はそのまま寝返りもせずに鼾をかき初めた。
箱根を越えるうちに平馬は、若侍の事をサッパリと忘れていた。
駿府にはわざと泊らず、海近い焼津から一気に大井川を越えて、茶摘歌と揚雲雀の山道を見付の宿まで来ると高い杉森の上に三日月が出たので、通筋の鳥居前、三五屋というのに草鞋を解いた。近くに何やら喧嘩があるという横路地の立話を、湯の中で聞きながら旅らしい気持ちに浸っていたが、その中に気が付くと一人の女中が板の間に這入って来て、今まで着ていた木綿の浴衣を、絹らしいのと取換えている。……ハテ。何をするのか……と見ているとその女中が三指を突いて平馬の顔を見た。
「あの御客様……まことに申訳御座いませぬが只今、奥のお座敷が空きましたから、お上りになりましたらお手をどうぞ……御案内致しますから……」
小田原の出来事を思い出した平馬は返事が出来なかった。