후리가나로 읽는 일본 고전
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
吉川 英治의 新書太閤記(しんしょたいこうき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 190,406자 · 381화면
兵糧陣
兵糧陣
例によって、信長は、
――狩猟に参る。
という触れ出しで、供まわりも極めて小人数だし、支度も軽装のまま、早朝、清洲から野外へ駈けたのであった。
だが、いつもの狩場近くの山野へ出ても、鷹を放つ容子もなく、弓弦を掛けるふうもない。
「鳴海じゃ。鳴海へ」
後方から駈けつづいてゆく者たちは、信長のそういう声を聞いたが、何で遽かに鳴海城へ行くのか、信長の気もちは察しられなかった。
鳴海城で、休息、兼ねて昼の弁当を無造作に喰べ終ると、間もなくまた、
「丹下の砦へ向え」
と、令を下し、鳴海から国境の砦々へ接続している軍用路を、駒足のかぎり駈け出した。
徒士や小者は、勿論、落伍してしまった。騎馬の家臣ばかりが信長の前後を約二十騎ほど包みながら、一陣の旋風が移って行くように、丹下村へはいった。
「や。何か」
砦の物見は、手をかざしていた。この附近一帯は、今川領と織田領とが、丘一つ河一つ隔てて対峙している最前線なのである。秋が来ても春が来ても、ここには無事という日はないのである。
「殿!」
楼台の階段から、真下の仮屋へ、物見の兵は、呶鳴った。
ここは戦のない日も、戦時であった。