후리가나로 읽는 일본 고전
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
吉川 英治의 新書太閤記(しんしょたいこうき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 190,406자 · 381화면
実をいうと今暁の出陣は、実に急速だったので、身に具足を着ける時間がやっとあったくらいで、雪隠にはいって腹工合を整える遑すらなかったのだ。で、清洲から熱田、丹下と駈けて来るあいだも、どこかで軍馬を休めたら、まず何よりも毎日習慣の物をきれいに脱して心おきなく戦いたいものだと思っていたので、今その思いを果しつつ、息みながら青空を見ていると、何ともいえない爽快を覚えた。
しかし、戦場の慣いで、そうしている間も、油断はならなかった。対陣の場合など、よく敵が陣地を離れて、野糞しているのを見つけると、戯れ半分にも、
「あいつを射止めてやろう」
などという気が起るもので、そういう経験は藤吉郎も持っているから、青空ばかり眺めて、恍惚ともしていられなかった。
山裾から二、三町ほど、先へ眼をやると、黒末川の流れが帯のように蜿って、知多半島の海へ注いでいる。
そこの河畔に、一群の兵が陣取っていた。旗印をよく見ると、味方である。味方の梶川一秀の陣だ。
そこから直ぐ海口の方へ寄って鳴海の城がある。これは一時は織田で墜したが、その後また、駿河勢力に蚕蝕されて、今では敵の岡部元信が固めている。