후리가나로 읽는 일본 고전
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
吉川 英治의 新書太閤記(しんしょたいこうき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 190,406자 · 381화면
「猿か――」
と、床几から立って、
「呼び止めたか。では、ここへ連れて来い。ここへ。――説諭しておかぬと癖になる」
と、いった。
藤吉郎はすぐ彼の前へ来た。
やあ――
ともいわなかった。
頭も下げなかった。
城内では、友人の間でも、如才ないといわれている彼としては、珍しく不愛想で、胸を反らしたまま、
(呼び止めて、何用か)
と、いった顔していた。
それが先ず、山淵右近を、いっそう怒らせた。
身分からいえば、彼と右近とでは、比較にならないほど、懸隔てがある。
右近は、清洲城の一聯である鳴海の出城を預けられている山淵左馬介義遠の子だ。織田諸将のうちでも、重臣の者の子である。――青木綿の陣羽織一着で、春も秋も越している彼とは、格がちがう。
(不遜な奴だ)
と、右近の顔は、それからしてまず穏やかでなかった。
「――猿」
「…………」
「おい。猿ッ」
呼んだが、藤吉郎は、返辞をしなかった。
これも、彼としては、いつもと違っていた。藤吉郎のそう呼ばれることは、上は信長から下は友人達まで、口癖のようなもので、彼自身、少しも気になどしていないことだったが、きょうは、常の調子でなかった。